知らないと危険！法的義務と会社の未来を守る契約書の保管方法

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「あの契約書、どこに保管したかな…」「担当者が辞めてから、契約の更新時期が分からない…」

オフィスの片隅で、そんな悩みを抱えていませんか？　日々の業務に追われていると、契約書の整理・保管は後回しになりがちです。しかし、契約書の保管は単なる書類整理ではありません。法律で定められた企業の「義務」であり、万が一の際に会社を守る「命綱」なのです。

ずさんな管理は、取引先との信頼関係を損なうだけでなく、税務調査での指摘や、訴訟における敗訴など、思わぬ法的トラブルや経営上の大きな損失につながりかねません。逆に、適切な管理体制を構築することは、会社の資産を守り、健全な経営を続けるための基盤となります。

この記事では、法律で定められた具体的な保管期間から、明日から実践できる効率的なファイリング方法、そして未来のリスクから会社を守る管理体制の築き方まで、網羅的に解説します。記事の後半では、管理体制の要となる「最適なファイルの選び方」についても詳しくご紹介します。この記事を読めば、もう契約書保管で悩むことはありません。

1. 契約書保管が「法的義務」である理由

「場所を取るから処分したい」「PDFがあるから紙の原本は要らないのでは？」と考える方もいるかもしれません。しかし、契約書の原本保管は、法律によって定められた企業の義務です。まずは、なぜ保管が必要なのか、その法的根拠とリスクについて正しく理解しましょう。

1-1. そもそも契約書を保管しないとどうなるのか？

契約書を適切に保管していない場合、企業は主に「税務リスク」と「法務リスク」という2つの大きなリスクに直面します。

まず「税務リスク」です。税務調査が入った際、売上の計上時期や経費の正当性を証明する根拠資料として、契約書の提示を求められます。このとき提示できないと、税務署から取引の実態を疑われる可能性があります。最悪の場合、経費の否認や追徴課税といった重いペナルティを課されることになりかねません。

次に「法務リスク」です。取引先とのトラブルや訴訟の際、自社の主張を裏付けるもっとも強力な証拠となるのが契約書です。契約書がない、あるいは内容が確認できない状態では、自社に正当性があっても証明できず、不利な立場に追い込まれる危険性があります。契約書は、いざというときに会社を守る「盾」なのです。

1-2. 会社法と法人税法が定める保管期間

では、具体的にどのくらいの期間、保管すればいいのでしょうか？　主要な法律である「法人税法」と「会社法」の規定を見てみましょう。

法人税法：原則7年（欠損金がある場合は10年）
法人税法では、帳簿書類の保管期間を原則として「7年間」と定めています。起算点は、契約書作成日ではなく、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間です。ただし、欠損金（赤字）が生じた事業年度については、繰越控除を受けるために「10年間」の保管が必要となります。
会社法：原則10年
会社法では、会計帳簿やその事業に関する重要な資料について、会計帳簿を閉鎖したときから「10年間」の保管を義務付けています。契約書も重要な資料の一部とみなされるため、会社法に従うならば10年間の保管が必要です。

法律によって期間は異なりますが、実務上は「もっとも長い期間に合わせて10年間保管する」のが安全策といえるでしょう。また、契約終了後も契約不適合責任（旧：瑕疵担保責任）などのトラブルに備え、廃棄時期は慎重に判断する必要があります。

1-3. 「知らなかった」では済まされない重要性

「法律を知らなかった」という言い訳は通用しません。契約書の不備や紛失は、コンプライアンス（法令遵守）の観点からも企業統治の欠如とみなされ、社会的信用を失墜させます。

また、個人情報が含まれる契約書を紛失・漏えいさせた場合は、個人情報保護法違反に問われる可能性もあります。契約書管理は、単なる事務作業ではなく、経営層が責任を持って取り組むべき「リスクマネジメント」そのものです。法令遵守は企業存続の前提条件であることを強く認識し、確実な保管体制を整えましょう。

2. 目指せ「探す時間ゼロ」！紙の契約書ファイリング術

保管の重要性を理解したところで、次は具体的な「保管方法」について見ていきましょう。目指すのは、必要なときに誰でもすぐに取り出せる「探す時間ゼロ」の状態です。

2-1. ファイリングの基本ルール4パターン

契約書を無造作に積んでいてはいけません。検索性を高めるためには、明確なルールに基づいた分類が不可欠です。代表的な4つの分類方法をご紹介します。

契約締結日順（時系列）
「202X年X月」などのラベルを貼り、日付順に並べる方法です。いつ契約したかが分かっていればすぐに見つけられますが、過去の契約を探す際に日付を特定する手間がかかる場合があります。
取引先別（50音順）
取引先名を50音順に並べる方法です。特定の取引先との契約履歴を一覧できるため、管理しやすいのが特徴です。ただし、社名変更があった場合の対応などに注意が必要です。
契約種類別
「秘密保持契約書」「業務委託契約書」など、種類ごとに分類する方法です。特定の契約類型をまとめて確認したい場合に便利ですが、一つの取引先と複数の種類の契約を結んでいる場合は情報が分散してしまいます。
案件別（プロジェクト別）
建設業やシステム開発など、プロジェクト単位で仕事が進む業種に適しています。案件ごとの契約書をまとめて管理できるため、業務効率が高まります。

自社の業務フローに合わせてこれらを組み合わせるのが効果的です。重要なのは「一度決めたルールを徹底すること」です。

2-2. やってはいけないNGな保管方法

よかれと思ってやっている保管方法が、実は契約書の価値を損ねているかもしれません。以下のような保管は避けましょう。

原本への穴あけ
2穴ファイルにとじるために原本に穴を開けるのはNGです。文字や印影に穴がかかると、内容が判読できなくなったり、証拠能力に疑義が生じたりするおそれがあります。ポケット式や専用ファイルを使用しましょう。
クリアファイルでの放置
透明なクリアファイルに入れただけで放置するのは危険です。紛失リスクが高く、検索性も低いです。あくまで一時保管用とし、最終的にはしっかりとしたファイルにとじ込みましょう。
個人デスクでの保管
「自分が担当だから」と個人管理するのは絶対にやめましょう。担当者が不在のときや退職した後に、誰も契約書の場所が分からなくなってしまいます。契約書は会社の資産であり、共有場所で管理すべきです。

2-3. もっとも重要なのは「属人化」させないルール作り

ファイリングの最大の敵は「属人化」です。「Aさんしか場所を知らない」状態はリスク管理上、非常に脆弱です。担当者が変わっても運用が回るように、以下の工夫を取り入れましょう。

インデックス（見出し）の活用：
誰が見ても中身が分かるよう、統一された見出しを付ける。
共有キャビネットの設置：
鍵のかかる共有書庫を定位置とし、持ち出しや返却のルールを決める。
マニュアル化：
分類ルールや手順を文書化し、誰でも作業できるようにする。

3. あなたの会社は大丈夫？契約書管理のよくある落とし穴

どんなにきれいに並べていても、保管環境やファイルの質に問題があれば、契約書は危険にさらされます。ここでは見落としがちな「落とし穴」を解説します。

3-1.【落とし穴①】ずさんな管理ルールが招く紛失・情報漏えい

「誰でも閲覧できる」「鍵がない」状態は論外です。契約書には機密情報が含まれており、悪意のある持ち出しや紛失のリスクがあります。

保管場所は必ず施錠し、鍵の管理者を決めることが基本です。また、「誰が」「いつ」「何を」持ち出したかを記録する管理簿を作成し、行方不明になるのを防ぐ必要があります。

3-2.【落とし穴②】安価なファイルでの保管が招く劣化

コスト削減のために安価なファイルを使用していませんか？　契約書は10年間保管するものです。安価なファイルは耐久性が低く、数年で破損することがあります。

さらに深刻なのは、ビニール素材に含まれる可塑剤の影響で、インクが転写され文字が消えてしまうトラブルです。長期保管を前提とした高品質なファイルを選ぶことは、コストではなく「投資」と考えるべきです。

3-3.【落とし穴③】劣悪な保管環境が招く劣化

物理的な保管環境にも注意が必要です。湿気が高いとカビや虫食いの原因になり、紫外線は紙の黄ばみやインクの退色を招きます。契約書は「直射日光が当たらず、湿気の少ない冷暗所」で保管するのが鉄則です。除湿剤の活用など、環境対策も講じましょう。

4. 未来の会社を守る、鉄壁の契約書管理体制

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ここまで、保管のルールやリスクについて解説してきました。最後に、これらを踏まえた上で、実際にどのような管理体制を構築すべきか、具体的な解決策を提示します。

4-1. すべての基本は「管理台帳」による現状把握から

最初に取り組むべきは、「契約書管理台帳」の作成です。手元にある契約書をリスト化し、「契約名」「相手」「締結日」「保管期限」「保管場所」などを記録します。Excel等でかまいません。

台帳があれば、PC上で検索して「どのファイルのどこにあるか」を瞬時に特定でき、期限管理もしやすくなります。物理的なファイリングとデジタルの台帳管理をセットで行うことが、鉄壁の管理への第一歩です。

4-2. 管理体制の核となる「ファイル」選びと最適解

管理台帳の整備ができたら、次は物理的な保管、つまり「ファイル選び」です。契約書は企業の資産であり、数年、場合によっては数十年にわたって安全かつ整然と保管されなければなりません。そこで重視すべきは、単なる価格や見た目だけでなく、以下の「5つの条件」です。

メーカーの信頼性：長年の歴史と製造業としての確かな実績があるか
品質の証明：ISO認証など、客観的な品質基準をクリアしているか
柔軟な発注単位：必要なときに「1冊単位」から無駄なく注文できるか
デザイン性：自社の品格を示すオリジナルデザインを容易に作成できるか
調達スピード：監査や急な契約時にも、即座に対応できるか

これらは一見、すべてを満たすのが難しい条件のように思えます。しかし、この厳しい基準をすべて高水準でクリアし、管理体制の最適解として推奨できるのが、「ファイルジャパン」のファイルです。

創業約60年（1964年創業）という歴史と、「ISO9001」認証（2012年取得）に裏打ちされた確かな品質がファイルジャパンにはあります。これまでに12,000社以上と取引し、累計1,400万冊以上を販売してきた実績は、多くの企業が重要な書類の保管先として信頼を寄せている何よりの証拠です。

現代のビジネスニーズに応える柔軟性も兼ね備えていて、Web上で簡単に自社ロゴ入りのオリジナルデザインが作成できる上、種類によっては在庫リスクのない「1冊」からの注文が可能です。これによって中小企業や個人事業主でもプロ仕様のファイルを導入できます。会社を守る重要な書類を収めるからこそ、信頼できるパートナーの製品を選び、管理体制の「核」を強固にすることが大切です。

4-3. 鉄壁の守りを実現する社内運用ルールの策定

最適なファイルを用意したら、最後に運用ルールを固めます。

保管場所のゾーニング：重要書類エリアを決め、関係者以外の立ち入りを制限する。
閲覧・持ち出し：原本持ち出しは原則禁止とし、閲覧は許可制、またはコピー（PDF）での対応を徹底する。
廃棄：保管期限切れ書類の廃棄フロー（溶解処理等）を定め、台帳に記録を残す。

これらを明文化し周知することで、「鉄壁の管理体制」が完成します。

まとめ

いかがでしたでしょうか。契約書の保管は、日々の業務で後回しにされがちですが、会社の権利を守り、未来の経営リスクを回避するための極めて重要な「守りの一手」です。

デジタル化が進んでも、ハンコを押した原本を紙で保管する重要性は変わりません。重要なのはその管理方法です。まずは管理台帳とファイリング術で現状を把握することから始めてください。そして、管理の核となるファイルを、長期保管に耐え得る信頼性の高いものに見直すことが、もっとも確実な第一歩です。

ファイルジャパンの高品質なファイルで整然と管理された契約書棚は、会社のコンプライアンス意識と経営の堅実さを物語ります。あなたのその一歩が、将来の会社を支える礎となるはずです。この記事を参考に、鉄壁の契約書管理体制を築き上げましょう。