雇用契約書の保管期間はどれくらい?正しい保管方法を解説

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雇用契約書は、労働条件や契約内容を確認するための重要な書類です。賃金や勤務時間、契約期間などをめぐってトラブルが起きた際、企業側が適切に内容を説明するための証拠にもなります。

ただし、雇用契約書には法律で定められた保管期間があり、誤ると罰則の対象になる可能性があるため注意が必要です。とくに2020年の法改正により、保存期間は原則5年へ延長されましたが、現在は経過措置として当面3年になっています。

本記事では、雇用契約書の保管期間や起算日、適切な保管方法を解説します。

あわせて、雇用契約書以外に保管が必要な書類や、保存期間ごとの一覧も紹介するので、自社の書類管理を見直す際の参考にしてみてください。

雇用契約書の保管方法

雇用契約書は、保存期間を守るだけでなく、必要なときに内容を確認できる状態で管理する必要があります。

保管方法を決める際は、書類の量や確認頻度、担当部署、保管スペースをあわせて考えることが大切です。また、保存期間と保管場所を社内で共有しておくと、担当者が変わったときの引き継ぎもしやすくなります。

ここでは、雇用契約書の主な保管方法と、期限を過ぎた書類の処分方法について見ていきましょう。

書面で保管する

書面で締結した雇用契約書は、原本のまま保管するのが基本です。紙は署名や押印の有無を確認しやすく、労務トラブルが起きた際も契約内容を示す資料になります。

紙で保管する場合は、書類を探しやすいように分類ルールを決めておきましょう。

  • ・退職年ごとに分ける

  • ・入社年ごとに分ける

  • ・氏名順で整理する

  • ・部署別にまとめる

  • ・管理台帳で保管場所を記録する

PDF化して検索用に使う方法もありますが、紙の原本を破棄するかどうかは慎重な判断が必要です。スキャンデータと原本の扱いを社内で決め、契約書専用のファイルや保管庫で管理しておくと安心です。

また、雇用契約書は退職後に確認する場面もあるため、在籍中の書類と退職者の書類を分けておくと管理しやすくなります。退職年ごとにファイルを分け、背表紙やラベルで保存期限を確認できるようにしておけば、処分時期の判断もしやすくなるでしょう。

電子データで保管する

雇用契約書は、電子データで保管することもできます。紙の保管スペースを減らせるほか、氏名や日付で検索しやすくなる点がメリットです。

ただし、電子データで交付する場合は、労働者本人が希望していることが前提になります。会社側の都合だけで切り替えず、従業員が内容を確認できる体制を整えておきましょう。

また、電子保存ではアクセス権限の設定やバックアップも欠かせません。ファイル名や保存場所のルールを統一し、必要なときに表示・印刷できる状態にしておくことが大切です。

外部機関に委託する

雇用契約書を社内で管理しきれない場合は、外部機関へ保管を委託する方法もあります。退職者の契約書が増えすぎて、保管スペースや整理作業の負担が大きい企業に向いています。

委託先を選ぶ際は料金だけでなく、保管施設の入退室管理や取り出し時の本人確認、廃棄証明書の発行可否なども確認しましょう。

雇用契約書には、氏名や賃金、労働条件などの個人情報が含まれる点にも注意が必要です。
また、外部に預ける場合、どの書類をいつまで保管するのかを社内で把握しておく必要があります。

保管期間が過ぎた書類は処分しよう

保管期間を過ぎた雇用契約書は、社内ルールに沿って処分しましょう。不要な書類を残し続けると、保管場所を圧迫するだけでなく、紛失や情報漏えいのリスクも高まります。

主な処分方法は、シュレッダーによる細断や、専門業者による溶解処理です。大量の書類を処分する場合は、廃棄証明書を発行できるサービスを利用すると、処分記録を残せます。

また、処分日や対象書類を記録しておけば、後から廃棄状況を確認できます。保存期間や起算日、処分方法をあらかじめ決めて安全な方法で廃棄しましょう。

雇用契約書を保管しないと罰金が科される可能性がある

雇用契約書を保存していない場合、労働基準法違反として30万円以下の罰金が科される可能性があります。保存期間の途中で破棄した場合だけでなく、最初から保管していなかった場合も対象です。

問題になりやすいのは、労働基準監督署の調査や、退職者との労務トラブルが起きた場面です。未払い賃金や残業代、不当解雇などをめぐって争いになったとき、契約時の労働条件を示す書類がなければ、企業側の説明が難しくなります。

雇用契約書は、罰則を避けるためだけに残す書類ではありません。従業員との認識違いを防ぎ、合意内容を確認するための資料として、保管期限と保管場所を定期的に見直しましょう。

雇用契約書以外の書類も保管する必要がある

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企業が保管すべき書類は、雇用契約書だけではありません。労働者名簿や賃金台帳、タイムカードなども保存義務の対象となるほか、書類ごとに起算日が異なります。

万が一保管漏れがあると、行政調査や労務トラブルの際に必要な記録を確認できなくなるケースも少なくありません。ここでは、雇用契約書とあわせて管理したい主な書類を紹介します。

タイムカード

タイムカードや出勤簿は、始業・終業時刻や残業時間、休日労働の有無などを確認するための書類です。保存期間は原則5年間ですが、現在は経過措置により当分の間は3年間になっています。

起算日は、記録の完結日です。ただし、記録の完結日より賃金支払期日が遅い場合は、賃金支払期日から数えます。

残業代の未払いをめぐるトラブルでは、実際の労働時間が争点になりやすいため、勤怠管理システムのデータや残業命令書なども確認できる状態で保管しておきましょう。

賃金台帳

賃金台帳は、従業員ごとの賃金支払い状況を記録する書類です。以下のような項目を記載します。

  • ・氏名

  • ・賃金計算期間

  • ・労働日数

  • ・労働時間数

  • ・基本給

  • ・手当

  • ・控除額

保存期間は原則5年間ですが、現在は経過措置により当分の間は3年間です。起算日は、賃金台帳へ最後に記入した日から数えますが、最後の記入日より賃金支払期日が遅い場合は、賃金支払期日から数えます。

源泉徴収簿と兼ねている場合は、税務上の保存期間も確認が必要です。労務書類としての保存期間だけで判断せず、自社でどの書類として管理しているのかを整理しておきましょう。

労働者名簿

労働者名簿は、従業員の氏名や生年月日、履歴、従事する業務、入社日などを記録する書類です。従業員を雇用する企業は、労働者ごとに作成し、一定期間保管しなければなりません。

保存期間は原則5年間ですが、現在は経過措置により当分の間は3年間です。起算日は、労働者が退職した日や解雇された日、または死亡した日から数えます。

労働者名簿は、在籍状況や雇用履歴を確認するための基本資料です。氏名変更や部署異動などがあった場合は内容を更新し、退職時点の情報まで追える状態にしておきましょう。

その他の書類

雇用契約書のほかにも、以下の書類も雇入れや退職に関する書類として保存対象になります。

  • ・履歴書

  • ・身元引受書

  • ・労働条件通知書

  • ・解雇通知書の控え

保存期間は原則5年間ですが、現在は経過措置により当分の間は3年間です。

なお、社会保険や労働保険の書類は、種類によって保存期間が異なります。健康保険・厚生年金保険に関する書類は2年間、雇用保険に関する書類は原則2年間、雇用保険の被保険者に関する書類は4年間の保存が必須です。

また、税務・会計関連の書類は、さらに長い保存期間が定められています。書類の種類ごとに保存期間と起算日を分け、誤って早く処分しないように注意しましょう。

雇用契約書など保管期間が定められている書類一覧

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企業が扱う書類は、法律や制度によって保存期間が異なります。雇用契約書だけでなく、社会保険や税務、会社法に関する書類も、期限を分けて管理する必要があるのです。

ここでは、保存期間ごとに主な書類についてまとめました。

2~4年保管する必要がある書類

社会保険や労働保険に関する書類は、2~4年の保存が必要なものがあります。雇用保険関係の書類は、原則2年と4年のものがあるため、分けて管理しましょう。

保存期間 主な書類 補足
2年 健康保険・厚生年金保険に関する書類 資格取得・喪失確認通知書など
2年 雇用保険に関する書類 雇用保険関係の書類は原則2年
3年 労災保険に関する書類 労災保険給付や労働保険料に関する書類など
4年 雇用保険の被保険者に関する書類 離職票の控え、資格取得確認通知書など

2年保存の書類と4年保存の書類をまとめて扱うと、廃棄時期を誤る可能性があります。保険の種類ごとに保管場所やラベルを分けておくと、管理しやすくなるでしょう。

5年保管する必要がある書類

雇用契約書や労働者名簿など、労務管理の中心になる書類は、原則5年間の保存が必要です。ただし、現在は経過措置により、当分の間は3年間の保存でも法令上は問題ない扱いとされています。

保存期間 主な書類 補足
5年 雇用契約書 労働条件や契約内容を確認する書類
5年 労働条件通知書 賃金、労働時間、休日などを明示する書類
5年 労働者名簿 氏名、生年月日、退職日などを記録する書類
5年 賃金台帳 賃金、労働日数、控除額などを記録する書類
5年 タイムカード・出勤簿 労働時間を確認するための記録
5年 年次有給休暇管理簿 年次有給休暇の取得状況を管理する書類
5年 履歴書・身元引受書 雇入れに関する書類
5年 解雇通知書の控え 退職や解雇に関する記録
5年 健康診断個人票 労働安全衛生法に基づく書類
5年 産業廃棄物処理の委託契約書 契約終了日から保存

5年保存の書類は、人事・労務・安全衛生など複数の部署に分かれやすいものです。書類名や保存期間、起算日を一覧で管理しておくと、廃棄時期の判断ミスを防げます。

7~10年保管する必要がある書類

税務や会社法に関わる書類は、雇用契約書よりも長い保存期間が定められています。労務書類と同じ感覚で処分しないように注意してください。

保存期間 主な書類 補足
7年 取引に関する帳簿 現金出納帳、売掛帳、買掛帳など
7年 取引に関する証憑書類 領収書、請求書、契約書、見積書など
7年 源泉徴収簿 給与や源泉徴収額を確認する書類
7年 扶養控除等申告書 従業員から提出された税務関係の申告書
10年 株主総会議事録 会社法に基づく書類
10年 取締役会議事録 取締役会の決議内容を記録する書類
10年 会計帳簿 総勘定元帳、仕訳帳など
10年 決算書類 貸借対照表、損益計算書など
10年 製造・販売記録 製造物責任法に関わる記録
10年 住宅新築工事に関する図書 建設業法に基づく書類

7~10年保存の書類は、経理・総務・法務など複数の部門で扱います。企業全体の書類管理として、保管場所と廃棄予定日を確認できるようにしておきましょう。

雇用契約書の保管にはファイルジャパンのファイルがおすすめ

紙の雇用契約書を長期間保管する場合は、書類の折れや破れ、汚れを防ぎながら、必要なときに取り出せる状態を整える必要があります。退職者ごとに契約書をまとめ、保存期限をそろえて管理しておくと、労働基準監督署の調査や労務トラブル時にも確認しやすくなるでしょう。

ファイルジャパンのファイルは、契約書をきれいに保管したい企業に適しています。格安のポリプロピレン製から、高級感のあるレザータイプまで用意されているため、予算や用途に合わせて選択可能です。

雇用契約書の保管では、以下のような使い方ができます。

  • ・退職年ごとに雇用契約書をまとめる

  • ・役員や管理職などの重要書類を分ける

  • ・紙の原本を折れや汚れから守る

  • ・契約締結後すぐに専用ファイルへとじる

  • ・人事・総務部門で保管ルールを統一する

契約書を「後で整理する」運用にすると、書類の紛失や混在が起きやすくなります。雇用契約書を作成・更新したタイミングで専用ファイルにとじる流れを決めておき、保管漏れを防いでください。

ファイルジャパンでは1冊から注文できるため、小規模な企業でも導入しやすい点が魅力です。従業員数や保管書類の量に合わせて必要な冊数を用意し、雇用契約書や労働条件通知書を整理しておきましょう。

まとめ

雇用契約書は、労働条件を証明する大切な書類であり、労働基準法により一定期間の保存が義務付けられています。保存期間は原則5年ですが、現在は経過措置により当面3年になっており、法令上の扱いと実務上の管理方針を分けて理解しておくことが大切です。

また、雇用契約書だけでなく、労働者名簿や賃金台帳、タイムカード、労働条件通知書なども保存義務の対象になります。書類ごとに起算日や保存期間が異なるため、整理しておくと安心です。

紙で保管する場合は、紛失や劣化を防ぎ、必要なときにすぐ取り出せるように契約書専用のファイルを活用しましょう。

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